町田音楽ネットワーク
今月の音楽人

5 2001年12月号)

何も存在していない所に人の心を動かす「モノ」を創り出す。
その「モノ」には誰も触る事ができないし終わればその存在は消えてしまう。
そんな「モノ」をこの地域で創り出してきた人々を紹介していきたい。


―   牧師 永原 創(アンディー永原)さん ―


シスター・リードと共に

 JR線路脇のビルの中にユアチャーチというキリスト教会がある。プロテスタントのインディペンデント教会(単立教会)だ。ここで土曜の夜に「Good News Cafe」というライブイベントが時々開かれている。出演者はゴスペルクワイアーを主宰するシスターのバンドだったり、クリスチャンのラップだったり、ストリート系の弾き語りミュージシャンだったり、ジャズユニットだったり、ジャンルを問わず実にバラエティーに富んでいる。主催者はもちろんユアチャーチの牧師である永原アンディーさんだ。

 永原さんは相模原市立大野南中学校そして県立大和高校の出身で、大学時代に現在の奥様から信仰の道に導かれた「愛」の人だ。もちろん小学校時代のビートルズ体験から70年代のウェストコーストサウンドまで、音楽は大好きだった。卒業後一度は社会に出てみたものの、神に仕えるという意思を持って神学大学に編入学、その後20年にわたり伝道のあり方に工夫をこらしながら牧師への道を歩んできた。町田に教会を開いたのは1995年の事で、なんと教会の維持費捻出のため礼拝のある日曜日以外は雑貨屋さんでもあったそうである。

 永原さんは言う「Your Church の"Your"というのは、この教会は牧師である私のものではない。この教会を訪れる人のものであり、神のものという意味です。」 開かれた教会の姿、伝統にしばられる事なく、普通の言葉でもっと身近な方法で伝えたい、ということなのだ。だから日曜日の礼拝も自分の周波数にあった音楽でというこだわりがある。

 賛美歌はAmerican Worship Songを基調に、永原さんのオリジナルもあり、2台のキーボードとギターはストラトキャスター(!)、バイリンガルの教会なので日本語と英語が交互に飛び交うインターナショナルな空間、平日にはオープンスペースとして必要な方々に開放、そしてGood News Cafe、ユアチャーチはそんな場だ。

 さて、12月、ユアチャーチからのメッセージ「どうぞクリスマスイヴ(12月24日振替休日)にはユアチャーチにお越しください。飛び入り大歓迎です。夕方4時からクリスマスディナーとクリスマスキャンドルサーヴィス(礼拝)で素敵なクリスマスの思い出になること請け合いです。」
 
 もうひとつ、永原さんはシスター・リード率いるゴスペルクワイアー「Sounds of Joy Gospel Choir(サウンズ・オブ・ジョイ・ゴスペル・クワイヤー)」をバックアップしている。ただ歌うだけでなく信仰に裏打ちされたゴスペル。2000年5月に始まったばかりなので歴史は浅いが、毎週火曜日午後7時半から練習が行われている。場所は町田市民フォーラムか相模原南市民ホール(相模大野)。シスター・リードの「伝えたい」という思いがこもった本物のゴスペル歌唱、そして大所帯のゴスペルクワイアーとそれを支えるバックミュージシャン、練習を見学するだけでも鳥肌ものだ。(文:城川隆生)



Your Church(町田市森野1-10-10、Tel&Fax 042-759-0131)

  
Sounds of Joy Gospel Choirの練習風景


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