町田音楽ネットワーク
今月の音楽人
48 2005年7月号)

何も存在していない所に人の心を動かす「モノ」を創り出す。
その「モノ」には誰も触る事ができないし終わればその存在は消えてしまう。
そんな「モノ」をこの地域で創り出してきた人々を紹介していきたい。


―  ソウルミュージック居酒屋 ON THE BEAT DJ-OZU さん 



 10年ほど前から、「ON THE BEAT DANCE CLASSICS NIGHT」というイベントが町田で開かれている。今では「フライアーを作ってあんまり宣伝すると人が来すぎて踊れなくなってしまうんで、基本的にお店とネット上だけで告知しているんですよ」というほどの全国のダンクラ好きにその名を知られる大盛況イベント。今月の音楽人はこのイベントの主催者であり、ソウルミュージック居酒屋 ON THE BEATを経営するDJ-OZU さん。

 そもそも、「DANCE CLASSICS」とは何でしょう?略して「ダンクラ」。お父さんやお母さんが通っていたあのディスコでかかっていたソウルミュージック。特に1970年代後半から1980年代前半の頃の楽しく踊れるあのダンスチューン。しかしディスコが街から消え、時が経ち、やがていつのまにやら「ダンスクラシックス」という言葉があの頃への懐かしさやあこがれとともに定着しはじめた。OZUさんがON THE BEATをはじめた1996年当時は「100人に2人くらいはこの言葉が通じましたね」という状況だったらしいので、OZUさんはまさにこの界隈での「ダンクラ」仕掛け人の筆頭だったわけだ。

 OZUさんは生粋の町田っ子だ。町田一小、町田一中、町田高校の出身。ちなみに中高ではバスケ部。小学生の頃、親戚のお姉ちゃんの影響でビートルズやソウルミュージックを聴き始め、15才の頃には毎週末都内のディスコに通い始めた。OZUさんが好きだったのは「新宿GBラビッツ」。それと同時に町田では仲間とハードロックバンドを組んでライブ活動も始めていた。ソウルミュージックからハードロックまで。他のDJにはなかなか真似のできないDJ-OZUさんの音楽的な幅の広さはもうこの頃から顔を出している。

でもOZUさんが一番好きだと言うのは1981年のディスコサウンド。ちょうどディスコの中がアフロヘアの世界からロングヘア・サーファーカットのお兄さんたちに変わりはじめた頃。1981年、The B.B. & Q.Bandの代表曲でサーファー・ディスコの超人気ナンバー「ON THE BEAT」がお店やイベントの名前になったのもそんな訳だ。

 実は、OZUさんは某最大手自動車メーカーのメカニックエンジニアとしての15年間のキャリアを持っている。忙しい仕事の中で、次第に音楽から遠ざかる生活。そんな日々を変えようと、ある日、OZUさんはみんなで楽しめる「場」を作るべく思い立って貸事務所を一部屋借りた。机と椅子をいくつか並べて、ソウルミュージックを流すラジカセを一つ置き、金曜の夜だけの即席バーON THE BEATのはじまりだ。やがて、口コミで噂が広がって、お客さんで一杯になった頃、OZUさんは会社を辞めた。そう、「BEATに乗る」ことにしたのだ。

 ソウルミュージック居酒屋 ON THE BEATには本格的なDJブースがある。メニューもそんな雰囲気を意識したものだろうと思ったら大間違い。しめさば、ゴウヤチャンプルー、砂肝とニラの中華炒め、その他たくさんの思いっきり庶民的な料理。焼酎に日本酒にワインに、もちろん各種洋酒にというこだわりのないヴァラエティー。結局、気軽に入れる「居酒屋」なのだ。
(文:城川隆生)

2005年後半のON THE BEAT企画イベント(予定)
On The Beat
Dance Classics Night

@ A to Z
夜は忙しい貴方のための
昼ディスコ
70年代〜80年代のディスコを再現
7 17 18:00>> 8 27 13:00>>18:00
9 18 18:00>> 10 29 13:00>>18:00
10 9 18:00>> 会場:町田AtoZ
12 23 18:00>>


町田市中町1-18-2
WOODBELL BLDG
3A(3階)
042-721-0747
18:30より深夜

=> ON THE BEAT Web Page


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