町田音楽ネットワーク
今月の音楽人
38 2004年9月号)

何も存在していない所に人の心を動かす「モノ」を創り出す。
その「モノ」には誰も触る事ができないし終わればその存在は消えてしまう。
そんな「モノ」をこの地域で創り出してきた人々を紹介していきたい。


―  マリンバ奏者 中川佳子 さん 


 ブラックアフリカ生まれの打楽器マリンバ。奴隷船とともに大西洋を渡り、アメリカ大陸で改良され近代化を遂げた楽器だ。管弦楽団の楽器としても、ジャズ演奏の楽器としても知られている。普段聞こえてくる音楽のリズムやメロディーの中にブラックアフリカの要素が結構詰まっているのは皆さんご存知。でもそれは無形の影響力。有形の楽器でここまで広い分野で愛されているのはそうそう見つからない。マリンバ独特のパイプが生み出す共鳴音。やっぱりこの魅力の虜になってしまうのだ。今月の音楽人はそんな素晴らしいマリンバ・サウンドを町田から発信する中川佳子さん。

 中川さんは岐阜県岐阜市のご出身(実はマリンバが盛ん!?な土地だそうです)。マリンバを始めたのは、小学校4年生の時に、とあるイベントでのマリンバアンサンブルコンサートに参加したい!という思いがきっかけ。2年後の6年生の頃にはもうすでに音楽の道に進むことを意識し始めたそうだ。その後、高校も大学(桐朋学園大学音楽学部打楽器科1998年卒業、同大学研究科終了)も音楽の道を歩み、マリンバ奏者としての活動をスタートさせる。

 演奏者としてのプロフィールをご紹介しよう。
1996年、第6回全日本ソリストコンクール部門優秀賞。
1998年、第1回全日本マリン バコンクールDUO部門グランプリ受賞。
1999年より、韓国、マレーシア、台湾、ベルギー、そしてアメリカの各地で行われたコン サートツアーに参加。
2002年、ケネディーセンター(ワシントンD.C)でソロ演奏を行い好評を博す。

 因みに、中川さんの活動は演奏者としてだけではない。ソロ、マリンバデュオ、アン サンブル、オーケストラなどの為に楽曲のアレンジも手がけている。実は、 2003年のロシア・サンクトペテルブルグ室内楽団の来日公演プログラムのオーケストラ・アレンジも担当しているのだ。

 中川さんは原点としてのクラシック音楽に軸足を置きながらも、オリジナル曲への取り組みや他楽器との共演にも意欲的だ。そして、「演奏していて常に『マリンバ最高!』と思えるような音楽をやり続けたい」と語ってくれた。

 2002年から拠点を町田においている中川さん。町田発のファーストアルバムも先日リリースされたばかり。バロックから始まってアイリッシュ・ジャズ・オリジナル曲へと展開する自由で奥深い中川サウンドだ。(文:城川隆生)
中川佳子「LARGO」
(HCOM-1004)

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【2004年9月以降の演奏予定】
9月 17日 レストラン京王PRESENTS オータムスペシャルディナーショー
○開場17時半 スペシャルディナー(フリードリンク)  演奏開始 19時 
○府中市生涯学習センター内<レストランろんたん>
   (京王線東府中駅より徒歩12 分)
○料金/7000円 完全予約制
「毎年恒例となりましたお食事付きのコンサートです。今年は「世界一周の 旅」と題してお送りします。」
10月 11日
大久保宙パーカッションライブ&はあとふるらいぶ(タイトル仮)
○4000円
○相模大野グリーンホール(小田急線相模大野駅より徒歩3分)
「マリンバとキーボードで出演します。歌あり、トークあり、心あたたまるコ ンサートです。」
23日 マリンバデュオコンサート
○18時開演
○大悲願寺本堂(五日市市)
「お寺でのコンサートです。マリンバを身近に感じ、ホールとはひと味違った音 色をお楽しみください。」


写真撮影:Studio104


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