町田音楽ネットワーク
今月の音楽人
(0 2001年7月準備号)
何も存在していない所に人の心を動かす「モノ」を創り出す。
その「モノ」には誰も触る事ができないし終わればその存在は消えてしまう。
そんな「モノ」をこの地域で創り出してきた人々を紹介していきたい。
― KENSO ―
(⇒ KENSO HP)
1980年に町田のPAMというレコード店から自主制作盤でデビュー。現在まで10枚以上のアルバムを発表し、国外でも根強い人気を誇るバンドである。 デビュー盤はその後の自主制作ブームのさきがけであり、数百枚しか制作されなかったこともあって(確か「フールズメイト」という雑誌にPAMの広告の中で宣伝されていた記憶あり)、現在では相当のプレミアがついているレア盤。ちょっと前にCDで再発されている。 当時の音はイエスなどのシンフォニック系プログレッシブ=ロックに近いと言える。初期KENSOを象徴する名曲「空に光る」はアメリカU.C.L.A.の音楽史の教授が自らの論文でとりあげ分析を加えている。 その後、メジャー(キング・レコード)に移籍し、よりジャズ色の強いテクニカルなサウンドへと進化している。 結成以来のオリジナルメンバーで音楽的中心の清水義央さんは、本職の歯科医と並行して音楽活動を続けている万能人。 1999年、KENSO結成25年にあたるこの年、8年ぶりのスタジオ録音盤「エソプトロン」がリリースされている。 個人的には15年位前にPAMの店長に2枚組のライヴを勧められ、ブランドXなどの英国ジャズ=ロック的(アメリカ製フュージョンではない)な音を気に入って、購入したのを思い出す。ルーツはロックだが既製のジャンルでは括れないオリジナルな「ロック」である。 そして、実は「ケンソー」とは「県相」であり、1974年、県立相模原高校で結成されたから「ケンソー」だというこのローカルな真実!きっと欧米のファンは知らない。(by Kenji Shinagawa) |